酒米の王様「山田錦」の産地、日本酒地理的表示「GIはりま」を知っていますか？

  目次

1.・はりま
2.播磨ってどんなところ？
3.播磨と日本酒の「深か〜い」つながりとは？
4.「GIはりま」は日本酒GIで唯一「山田錦だけで造ること」と決められている
5.一山堂酒販取り扱いの「GIはりま」認定酒

 

1.GIはりま

日本酒にも国が農産物や食品の地域ブランドを、知的財産として保護する制度として、日本酒の地理的表示（GI）が指定されています。
兵庫県では現在、日本一の酒どころとして知られる「灘五郷」と「はりま」の２地域が指定されています。
ここでは、「はりま」について紹介しましょう。  

2.播磨ってどんなところ？

「はりま」は、いにしえには播州國と呼ばれた兵庫県の南西部一帯の地域で、現代では播磨あるいは播州(ばんしゅう)と呼ばれる地域です。
この地域には中国山地を水源とした加古川(かこがわ)、市川(いちかわ)、夢前川(ゆめさきがわ)、揖保川(いぼがわ)、千種川(ちぐさがわ)の5大河川が南北に流れ、これらの川の周辺には米の生産に適した田んぼが広がり、古くから越後と並ぶ米の名産地です。
また、朝夕の寒暖差が大きい気候により、酒米の王様である山田錦の生育に適していて、山田錦の生産量は全国の約６割（令和元年）を占めています。
地理的表示（以下GI）では、「背景になる気候風土」の要件がありますが、「GIはりま」ではこれらが、それにあたります。

 

3.播磨と日本酒の「深か〜い」つながりとは？

播磨地域の日本酒に関わる「人や文化的な背景」には何があるかと言うと。
まず歴史的な面として、奈良時代初期（西暦715年頃）に編纂された「播磨国風土記」に次の記述があります。
「大神の御粮（みかれい）沾（ぬ）れてかび生えき　すなわち酒を醸さしめて　庭酒（にわき）を献りて宴（うたげ）しき」 〔神様に供えた糧にカビが生えたので、これで酒を醸して供えた〕ことが、この書物に記されています。
これが米麹を使ったお酒の日本で最初の記述と言われており、その地が　「はりま」地域の北東部にある宍粟市(しそうし)にある庭田神社であると推測されているので、宍粟市が日本酒発祥の地と言われています。
また人の面では、江戸時代には、この時代に発展した灘五郷で、現代でも三大杜氏として知られる丹波杜氏と共に活躍した播磨杜氏を輩出した地域でもあり、古くから酒造に関わりのある地域でした。
それから、先に説明をしました酒米の王様「山田錦」がまさに誕生したのが、この「はりま」地域の現在の加東市社町(かとうしやしろちょう)にあった酒造米試験地でした。
このように、「はりま」は、日本酒と深か〜いつながりがある地域なのです。

 

4.「GIはりま」は日本酒GIで唯一「山田錦だけで造ること」と決められている

「GIはりま」は、その地域が「山田錦」発祥地でありかつ名産地である背景から、日本酒の地理的表示としては珍しく使用する酒米を産地のみならず品種まで限定しており、「兵庫県産 山田錦※」のみとされているのも大きな特徴となっています。
GI 認定酒は、定められた原料と製法で製造されますが、それに加えてテイスティングによる審査を受け認定されます。「GIはりま」の味わいは、酒米である「山田錦」の特性を生かした、心地よい酸味があって後味が軽快で口当たりが優しく丸みがあり、繊細なコクと豊かな香味のふくらみのある喉ごしの良い酒とさています。一山堂酒販でも「GIはりま」認定銘柄を扱っていますので、ぜひ試してみてください。
※主要農作物種子生産条例に基づく審査済みの種子から栽培して収穫したもの
 

5.一山堂酒販取り扱いの「GIはりま」認定酒

　田中酒造場 

・純米大吟醸　白鷺の城　戦国のアルカディア〜黒田官兵衛〜
・大吟醸　白鷺の城
・特別純米酒　名刀正宗　若天
・特別純米酒　名刀正宗　乙天
・白鷺の城　庭酒
・純米吟醸　白鷺の城
・生酛純米吟醸　白鷺の城
・純米大吟醸　白鷺の城
・純米大吟醸　白鷺の城　縁結　結寿
・純米大吟醸　白鷺の城　縁結

　本田商店

・龍力　大吟醸　米のささやき
・龍力　特別純米　生酛仕込み

　奥藤商事

・忠臣蔵　純米吟醸 720ml
・忠臣蔵　純米吟醸　1800ml
・忠臣蔵　大吟醸　720ml
・忠臣蔵　大吟醸　1800ml
・純米吟醸 47 (Quatre Sept) 720ml
・純米吟醸 47 (Quuatre Sept) 1800ml

　壷坂酒造
・純米吟醸　雪彦山　GIはりま

　茨木酒造
・来楽　大吟醸35